リハビリ無料相談会高知Free Rehabilitation Support System

リハビリ無料相談会とは

アシストジャパンでは、脳損傷後遺症者の方々が、退院後のリハビリに対する不安や障害に対する疑問などに個別で応じるリハビリの無料相談会を実施しています。

定期的なリハビリ計画の見直しを検討して、ご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

088-837-8907

内容

個別リハビリテーションと説明などを行います。そのため約90分間+αの時間を頂きます。

料金は無料です。

※日程はご相談の上、決めさせて頂きます。

開催場所

実施報告

令和5年1月29日 アシストジャパンデイサービスセンター7号館にて症例検討会を行いました。

高知市在住の70代:男性 現病歴/既往歴:脊髄小脳変性症

ニード
庭での手入れをする際など、しゃがみ動作時に後ろに転けそうになったりする。
本人
下肢筋力をつけて、1人での作業や散歩が出来る様になりたい。
家族
自分で出来る事は自分でして欲しい。

<評価・運動療法>

運動療法の様子
評価
①体幹・下肢を固めており股・膝関節屈曲位、上肢の振りは小さく歩幅は狭くずり足でふらつきが見られた。後ろ歩きでは、右立脚期に不安感を訴えられていました。
②右下肢の内旋時は抵抗感があり、大殿筋・外側広筋・大腿筋膜張筋等の筋緊張が高いのでリラクゼーションを行い、左下肢も同様に行って両下肢の筋緊張を整えました。
運動療法
①柔軟性は出てくるも筋力の低下も見られ、自動介助で股関節の伸展させていくと体幹・大殿筋・大腿筋膜張筋の活性が見られた。
②膝立ちでは前傾傾向であったが、手を合わせての回旋運動を行い股関節が伸展し安定した姿勢で運動が行えた。
③骨盤後傾で、股関節・膝関節屈曲位から体幹が伸び、骨盤後傾が減少し、股関節・膝関節が伸展し正しいアライメントの学習を図った。ご本人様より、「こんな事知らんかった。」と喜ばれていた。
④上肢の振り歩幅も大きくなっており、ずり足は見られずふらつきなく良い姿勢で歩行されていた。ご本人様からも「ふらつきが無くなった。」と喜ばれていた。
まとめ
進行性の疾患であり、筋力低下や不安定さもあり体幹・下肢を固定することで動作を行ってきた症例。協調運動が乏しい為、ご本人も身体の動かしづらさや歩行のふらつき等を感じられていた。固定している体幹・下肢の筋肉をほぐすことで、可動性と筋力弱化が見られて、固定を外した状態での筋肉の同時収縮をどう促していくかが課題と考えられる。右股関節屈曲他動的では90度。自動では80度であったが、自動運動をしてもらうことで動きがでやすくなっていた。これらのことから、デイ利用日が週に1回の為、自宅トレーニングを3つ提案し、散歩は続けて行ってもらう。デイでは、固定した筋肉をほぐした状態で最大限に身体を動かし、最大の筋力を出せる運動を行っていくことで、正しい姿勢での筋肉の共同収縮を学習する。それにより、1人での散歩の安定と転倒なく庭の手入れ・作業に繋がるのではないかと考えられる。

令和1年12月15日 アシストジャパンデイサービスセンター7号館にて症例検討会を行いました。

70歳:男性 現病歴/既往歴:進行性核上性麻痺(H30.8) 心不全 糖尿病 高血圧 視野狭窄

2階建て住居の1階で生活されている。門から玄関まで7段の手すり付き階段。洋式トイレ。トイレ・浴室・洗面台・ダイニングのドア付近に手すり。ソファーとベッドにタッチアップを設置。奥様と2人暮らし。

主訴
肩・膝・腰・左の太ももが痛い。
ニード
独りで外を歩きたい。でも、方向を変える時、右側や後ろ向きに転倒するから出来ない。顔を洗って身体を起こす時に、後ろ向きに転倒する。
家族
ゆっくり歩くように、意識するように、声かけはいつもしている。それでも転倒している。転倒時腰を痛めないで介助したい。

<評価・運動療法>

運動療法の様子
評価
立位は、股関節膝関節屈曲位で、体幹は前傾姿勢。
①歩行は、歩幅が狭く重心が後方偏位。
触診では、体幹前部側部上部後面及び胸鎖乳突筋や後頚部の緊張亢進と右上腕二頭筋から回内方向の短縮
運動療法
体幹及び頚部と右上肢等は、リラクゼーションにて筋緊張軽減。
②左右への重心移動することでバランスの改善。
③前腕支持と膝関節を屈曲することで、体幹・股関節の伸展を行う。
④大きく下肢を前に踏み込むことで、股関節の伸展の可動域を増す。
⑤つま先立ちを行うことで、体幹が伸び股関節を伸展。
⑥後ろ歩きにて、下肢を大きく上げ股関節伸展が増す。
ご本人様より、「左の太ももの痛みが取れた。身体が軽くなり動きやすくなった。」と話される。
まとめ
本症例は、自宅や外出先で同じ動作時に転倒が増えてきた男性である。立位では股関節膝関節の屈曲位で、体幹前傾姿勢。歩行時歩幅が狭く重心が後方変位。股関節の伸展不足が影響しているのではないかと考えられる。また、左に重心が変位している。右側の支持性が乏しいと考えられる。②左右への運動療法により右にも重心が乗り、体幹側部の緊張もほぐれストレッチ効果があった。体幹のバランスが整ったと考えられる。次に③④⑤の体幹と股関節の伸展により、重心後方変位も改善できた。前傾姿勢がさらに軽減し、股関節膝関節が伸展できた。⑥後ろ歩きで、体幹と股関節を伸展し膝を高く上げ歩幅が拡張され、後方への下肢のステップが出来るようになった。これらのことから、身体の動かし方と重心バランスを学習していくことで、転倒が少なくなると考えられる。

令和元年7月21日、アシストジャパン3号館にて症例検討を実施しました。
症例は脳出血、右片麻痺を呈した50代の男性の方です。

この方は3月24日の症例検討にもご協力頂いた方であり、今回はリハビリの進行状態の確認と歩行機能の再評価と検討を行いました。

介入前の歩行は、体幹の左側屈に伴い右下肢を振りだしており、歩幅が安定していませんでした。
右下肢接地時は体幹の動揺と右下肢の不安定な様子が見られ、本人からは「右膝がしっかりしない」との主訴が聞かれました。

歩行機能の再評価の様子
評価
右麻痺とアライメントは、左下肢股関節内旋・膝関節外旋・足部内反・右下肢股関節外旋・膝関節内旋・足部外反である。
①自宅手すりを想定し、歩行器を両手で把持するも、ふらつき見られる。
②座位で右膝伸展で体を反らす。股関節を屈曲することで、膝を引き上げる。触診にて腹筋・大腿四頭筋・長内転筋・下腿三頭筋の短縮と不活動が見られた。
運動療法
①骨盤の動きを誘導。大腿の介助にて正しい動きを学習。
②下肢の正しいアライメントでの運動。
③右上肢把持で、ふらつきなく台昇降が行える。
ご本人様から、膝の腫れが減った様な気がする。右足が、動かしやすい。前傾姿勢がとれやすくなり、右足の靴が、自分で履けれた。
まとめ
自宅は、段差が多く、転倒されたこともある女性の症例。左膝の痛みは、右下肢の不活動によるもので、右下肢のアライメントの異常と筋の不活動によって、運動障害が起こっていると考えられる。日々の生活の中で、代償運動を積み上げている。運動療法では、下肢の正しいアライメントに修正を行いスクリュホームムーブメントの運動や、閉鎖性運動連鎖運動を行うことで、運動学習ができると考えられる。今後の課題として、上がった右下肢が次のステップの準備が出来ていないことである。右足部を固定バンドで補助することで、ふらつきが軽減し次の動作の準備ができるのではないかと考えられる。

令和1年6月23日 アシストジャパンデイサービスセンター7号館にて症例検討会を行いました。

【1症例⽬の方です.】

83歳:⼥性 現病歴/既往歴:アテローム⾎栓 脳梗塞平成30年6⽉発症 両膝変形性膝関節症

1戸建て住居に、娘様と2人暮らし。寝室は1階にてベッド使用。手すり設置した洋式トイレ。
玄関と廊下の段差25.5cm。13.5cmの踏み台と昇り時麻痺側(右)に手すり設置。
寝室と廊下の段差4cm。廊下に高さ76cmのタッチアップ設置。

主訴
左膝が痛い。右足が、上がらない。
ニード
歩き始めに、左膝が痛い。歩く時、右足が前に出せないし思うように動かないから、転倒しそうで怖くて外を独りで歩けない。
リハビリの様子
評価
右麻痺とアライメントは、左下肢股関節内旋・膝関節外旋・足部内反・右下肢股関節外旋・膝関節内旋・足部外反である。
①自宅手すりを想定し、歩行器を両手で把持するも、ふらつき見られる。
②座位で右膝伸展で体を反らす。股関節を屈曲することで、膝を引き上げる。触診にて腹筋・大腿四頭筋・長内転筋・下腿三頭筋の短縮と不活動が見られた。
運動療法
①骨盤の動きを誘導。大腿の介助にて正しい動きを学習。
②下肢の正しいアライメントでの運動。
③右上肢把持で、ふらつきなく台昇降が行える。
ご本人様から、膝の腫れが減った様な気がする。右足が、動かしやすい。前傾姿勢がとれやすくなり、右足の靴が、自分で履けれた。
まとめ
自宅は、段差が多く、転倒されたこともある女性の症例。左膝の痛みは、右下肢の不活動によるもので、右下肢のアライメントの異常と筋の不活動によって、運動障害が起こっていると考えられる。日々の生活の中で、代償運動を積み上げている。運動療法では、下肢の正しいアライメントに修正を行いスクリュホームムーブメントの運動や、閉鎖性運動連鎖運動を行うことで、運動学習ができると考えられる。今後の課題として、上がった右下肢が次のステップの準備が出来ていないことである。右足部を固定バンドで補助することで、ふらつきが軽減し次の動作の準備ができるのではないかと考えられる。

【2症例目の方です。】

77歳:女性 現病歴/既往歴:胸椎黄色靱帯骨化症平成30年11月22日胸椎椎弓形成術施行

脊椎管狭窄症平成29年12月発症 関節症
1戸建て住居の1階に寝室。玄関簡易式のスロープ使用で車椅子介助。移動は、車椅子使用。ベッド。
ベッド高さ70cmの手すり2本設置し、手すり間約95cm。ポータブルトイレ使用。食事はベッド。
ご主人様と2人暮らし。家事は、ご主人様がしている。

主訴
左足の痺れは、なかなか良くならないし、感覚がわからない。時々、膝折れがある。
ニード
ポータブルトイレや車椅子へ移る時、足が交差して大変です。自分で、上手に移れたらと思います。
リハビリの様子
評価
①体幹上肢を挙げてもらうと後方へ反れ、腹直筋や腹斜筋の短縮が考えられる。また、左足背軽く触れると痛みを訴え、踵の感覚が鈍磨。左下肢の膝折れも腹直筋・腹斜筋・腸腰筋に腸脛骨筋が引っ張られて起こると考えられる。
運動療法
①骨盤の前傾後傾を自動介助にて促す。
②肩甲帯をリラクゼーションすることで胸部を広る。
③腰椎のリラクゼーションすることで、動きを引き出し、背部の痛みを軽減。
④どこが動いているか確認しながら、腰上げを自動介助にて行う。
⑤つま先立ち介助にて行う。
ご本人様から、左足の甲痛くない。背中も突っ張らない。車椅子へ自分で、移れた。
まとめ
1ヶ月間移乗しやすい車椅子をリースするも車椅子が重く、スロープで車椅子介助するご主人様には、負担であり軽いスタンダードの車椅子に戻された経緯のあった老々介護の症例。移乗動作などで左下肢の膝折れは、体幹骨盤下肢を筋膜リリースにて、連動し無くなり解消できる。腰椎はリラクゼーションすることで背部の痛みも消失し、体幹と頚部の分離運動が出来る様になった。体の動きを意識するよう腰が上がっていると答えてもらいながら、腰上げを行うことで、体の動かし方を学習できるようになると考えられる。スタンダード車椅子を想定しての移乗動作は、アームレストを右手で把持し下肢の交差もなく見守りレベルで可能であった。これらのことから、体をどう動かすか、意識付けし学習していくことで、出来る日常生活の動作が広がると考えられる。

症例検討会をアシストジャパン3号館で実施しました。

本症例は、脳出血、右片麻痺の50代の男性です。弊社の訪問リハとデイサービスを利用されています。
検討内容としては、歩行機能の評価とリハ内容の見直しでした。

本症例の歩行における一番の特徴としては、立脚期において、麻痺側の足部が内反尖足となり、適切に接地できないということでした。

立位場面や立位から膝を屈曲させる際も踵が浮きやすく、自己修正が困難でした。
またそれに対しての気づきや身体イメージも乏しい印象で、立位での足底接地を徒手で誘導すると、足底筋や下腿三頭筋の伸張痛が伴ないました。(図1、2)

リハビリの様子

臥位になり著明だったのが、股関節屈筋群の短縮のため伸展位がとれず、体幹から足部にかけても全体的に筋の長さが乏しい状況でした。

そのため骨盤の下制が困難で、足底接地をより困難にしていました。
下腿から足部にかけては、圧痛が強く、合併症として内臓疾患があり、それによる代謝障害も一要因として考えられました。
まず、徒手的に筋の短縮改善を図り、立位ではつま先立ちを課題として、伸展性の向上を図りました。(図3、4)

リハビリの様子

リハ前は「麻痺側の手足は動かない」との自己認識でしたが、課題を通して筋の出力があり、日常的な不使用の問題が伺えました。

そこで、立ち座りや立位の場面において、麻痺側足部の接地を徹底的に促し、身体イメージの再構築を図りました。(図4、5)
当初は足底接地のイメージがつかみにくいようでしたが、繰り返し行うことで自己修正が可能となっていきました。

リハビリの様子

最終的な歩行では、麻痺側足部が接地しやすくなったことで、「歩きやすくなった」とのお声を頂きました。(図6)

リハビリの様子

全体的な歩容としては、まだ屈曲位が残っており今後の課題となりますが、今回の症例は日常的に麻痺側足部が適切に接地されないまま、動作を遂行しているため、不使用を助長していることが大きな問題でした。

当面の課題としては、立ち座りや立位場面で適切に足底を接地していく機会を作っていくことを、本症例及び担当セラピストと共有しました。

平成31年3月24日、アシストジャパン3号館にて症例検討会を実施しました。

症例は脳内出血、右片麻痺を呈した50代の男性の方です。

検討課題としては、歩行機能の評価、短下肢装具の必要性検討、自主トレーニングの見直しでした。
日常では屋内は装具なしの独歩で自立、屋外は一本杖と短下肢装具を使用し自立されています。
自主トレーニングは入院時より積極的に実施されていましたが、一日700回などの回数を実施されていたようで、過負荷となっていたことが伺えました。

介入前の歩行は、足底全体で接地するため足関節の機能がいかされず、それに併せて右膝・股関節の伸展が得られにくく、体幹も前傾位をとり、常に床を見ながら歩かれていました。上肢においても、屈曲位となり固定的となっていました。(写真①)

介入においては、代償固定により右胸郭の柔軟性が低下し、四肢の選択性も阻害していたためまずは上記の改善を図りました。

リハビリの様子

体幹の柔軟性を得られた後は、殿筋群や股関節周囲筋の不活発が著明であり、誘導を交え活性化を図りました。(写真②)
ある程度筋の活性化が得られたため、座位で右足関節の底背屈を練習しました。

最終的にはつま先立ちを課題として、足関節の動きに加え、床からの荷重情報が上方へ波及するよう活性化を図りました。(写真③)

リハビリの様子

介入後は全体的に代償固定が減少し、右膝・股関節、体幹の伸展位がみられるようになりました。(写真⑤)

ただ、それと共に失調様の体幹動揺が出現し今後の治療課題となります。
装具に関しては、機能的には装具なしでも歩行可能ですが、入院中に捻挫の既往があり恐怖心が残存しているため、段階付けとしてバンテージによる足部安定性の補填を提案しました。(写真⑤)

リハビリの様子

自主トレーニングに関しては、過剰に回数を遂行するのではなく柔軟性や、しなやかさが重要であることの理解も介入を通して得られました。(写真⑥~⑧)

リハビリの様子

今回は、発症後、経年変化した症例の装具の不具合を、「いかに、能力にあった装備品にしていくか?」という問題で考えてみたいと思います。

このケースは、2017年9月から訪問リハビリ週1回40分で開始し、2019年2月現在に至る方です。

当時は、裸足においては足関節内反傾向となり歩きづらく、また装具着用の場合は、下腿まで装具で覆われているタイプであるため、膝関節の自由度が制限され、いわゆる分回し歩行を呈していた症例でした(写真①)。

今回、元々同じ装具(SHB:膝までの装具)を二つ持参されていたため、技師装具師の方とPTが歩行を確認し議論した後、試験的に下腿を覆っていた部分をカットし、S-SHBにしました。

顕著なのは、写真②のように分回しではなく、歩幅が大きくなり、膝の振り子の作用が見られ始めたことです。

これにより、1.長い距離でも疲れにくくなった、2.歩行の際、麻痺側足裏の筋肉(足底筋膜)に疼痛がよく見られていたが軽減した(本人の訴えも含む)、ことが挙げられます。

リハビリの様子

また、運動療法後(具体的には、左肩甲骨周囲の緊張の調整⇒体幹伸展筋と股関節伸展の促通を腹臥位で実施(写真⑤.⑥))の写真③、④では、②と比較し、頭頸部・体幹が伸展しているため、より歩行速度が向上し、本人もその効率性を確認することができました。

リハビリの様子

この経験を通し、「退院直後に合わせた装具であったとしても、数年経過した症例においても、常に同じ装具の作成を考えるのではなく、身体機能や歩容などを確認したうえで装具の検討を何らかの形で行う必要性がある」と結論付けられます。

「だんだん歩きにくくなってきた」「装具をつけていないと歩けない」「(今履いている以外の)装具を試したいが、どこに相談すればよいかわからない」「常に(話し合うこともなく)同じ装具を作っている」等このような問題を日常的に抱えている症例の訴えをよく聞きます。今回の取り組みは、このような現場の声からの出発でした。

アシストジャパン無料相談会では、現在使用されている装具におきましても、身体機能と併せた上で、自身の装具が現在の生活状況に即しているかについてのご相談を今後検討していきたいと考えております。(嶋崎 賢剛)

平成30年12月2日 アシストジャパンデイサービスセンター7号館にて症例検討会を行いました。

【症例1】87歳 女性

既往歴:レビー小体型認知症・先天性股関節脱臼症(左)

90歳のご主人と二人暮らし。脚長差と体幹下肢の筋力低下があり、歩行の耐久性も乏しく、デイ以外は外出しなくなった。デイと自宅ではフリーハンドと伝い歩きをされている。外出時には、2cmの底上げ靴を左足に履いている。

主訴
だいぶ力は付いてきたけど、歩くと疲れる。
ニード
スーパーに買い物に行きたい。
評価
認知では、HDS-Rにて24点となった。場所の見当識が0点。計算が1点。数字の逆唱が1点で、4桁で間違えた。言葉の遅延再生では、植物でヒントにて回答。物品記銘では使い方を説明で物品名がでてこなかたものがあった。
リハビリの様子

①体幹動揺も少なく歩行できている。

②線の上の歩行や方向転換もバランスの崩れなくできている。混乱しないで適切な誘導をする、自宅で行える練習を考えることの二点としました。

③ジャンプもでき、バランスもとれている。ご本人もジャンプや白線の上の歩行ができたと喜ばれていた。これらのことから、身体機能は良好であり、歩行の耐久性と認知面や違った環境への不安が問題と考えられる。

運動療法
筋力維持と向上は継続しながら、トレッドミルを利用して、初めはゆっくりと約5分ほど歩行をする。
慣れてきたら、歩行速度を上げ、歩行時間を延ばしていく事で、耐久性向上を図っていける。
また、認知面や違った環境への不安感に対して、歩行時に今朝の食事のメニュー等を質問する二重課題も平行して、行っていくことでアプローチできると考えられる。
まとめ
今回の症例は、筋力には問題なく身体機能は良好であるが、歩行の耐久性と見当識への不安があるため、外出ができない症例である。
歩行の耐久性がついてくることで、条件付きで社会参加の機会が増えてくる可能性が考えられる。
しかし、精神的に慣れていない場所や、場所の見当識による不安が強くなっている。
デイでも二重課題や、ご本人のやってみたいことの中でできることを提供し、達成感を得ることで不安解消でき、自信をつけることができる。
そのためには、ご本人の生活環境の中で、歩行の再現ができる協力者が必要であり、デイや家族と訪問介護等の連携が必要となってくると考えられる。

【症例2】65歳 女性

既往歴:右視床出血 左片麻痺 平成24年5月20日発症

集合住宅の1階で独居。室内・室外とも車いすを使用。屋内はフラットになっているが、転倒への恐怖感があるため、車いすを使用している。路上から部屋までは、2段の階段がある。

主訴
膝を屈曲すると痛い。歩行バランス悪いため歩くのが怖い。夜、足がピクピクなり、クローヌスがおきる。
ニード
デイでは、杖歩行の時つき添ってくれるけど、自宅では独りだから不安で歩けないから車いすなのよ。でも、家でもデイと同じように自分で歩きたい。
評価
リハビリの様子

①杖歩行前傾姿勢で膝が曲がっているため歩幅が狭い。

②座位時左下肢の膝が無意識のうちに伸展する。

③左大腿部から足部までをほぐし、前屈することで体幹の緊張を緩め膝を曲げる。

④右下肢の股関節と膝関節を伸ばしての立位。

リハビリの様子

⑥左上肢を伸展したまま左・右下肢を屈曲伸展の自動運動。

⑦両下肢に荷重を乗せての立ちあがり。

⑧運動療法後の杖歩行では、前傾姿勢が軽減し歩幅も拡大でき安定した歩行。ご本人からも足が痛くないし、ちゃんと歩けると話された。

まとめ
この症例は、不活動による筋短縮と高緊張による痛みが原因で、歩行への不安が強くなったケース。
前屈することで体幹・大腿・下腿の筋緊張をほぐすことができる自主トレを行う。
個別訓練では、アキレス腱や足部は他動的にリラクゼーションを行うことで、左膝が屈曲しやすくなる。
運動療法での左上肢を伸展したまま、左右股関節を屈曲・伸展することを意識するダブルタスクを行うことで、杖歩行時の股関節、膝関節の屈曲・伸展もスムーズとなり、左下肢の振り出しがしやすく転倒予防に繋がる。左下肢に荷重をかけ、支持できると右下肢が挙げやすく、歩行時の姿勢も改善され、安定した歩行ができる。
このように、安定した歩行をデイで経験し、近接眼歩行から遠位見守りでの歩行に移行し、独りでも歩行できるという自信と転倒への不安を解消することで、自宅での歩行に繋がると考えられる。
また、ご本人には、車いす座位時間が長く無意識のうちに左膝の伸展する姿勢をとり、筋緊張が高くなるため、日常の生活の中でも意識して左膝を90℃にして、正しい座位姿勢で筋緊張を緩めることを提案した。

平成30年10月14日 アシストジャパンデイサービスセンター3号館にて症例検討会を行いました。

脳卒中後遺症者において、ご家族の方が日常生活を送るうえで問題となる一つの要因として失語症があります。

今回の症例は、失語症を呈し、発症より7年経過した左片麻痺の男性です。

退院時はT字杖+装具で歩行は屋内自立レベル、玄関には段差があったが、越えることは可能でした。

今回の相談内容は、この最近歩行が困難になった結果、ご家族の介助量も増えてきており、本人も自信を失っていました。

リハビリの様子

【評価場面】立位をとり、歩行を行っていくにつれて右側(非麻痺側)へ偏よる特徴がありました(写真①)。

このように、麻痺側への荷重が困難なケースは、非麻痺側に偏位することが多くなります。その結果、非麻痺側の体幹・下肢の筋緊張も高くなり、混乱しやすい状態となり、特に立位場面では先行した恐怖感が強く、言語指示は負担になっている印象でありました。

リハビリの様子

【問題点】立位の場面では、こちらの意図が伝わること、非麻痺側が頑張りすぎない程度に介助を適切に行えば、安全に立つことができる潜在性があります(写真②)。

その際、荷重不足のために不使用となった麻痺側下肢は筋力強化をする必要性がありました。具体的には大腿四頭筋とハムストリングスの協調性につながる筋出力の向上です。これは立ち上がり動作などに必要な要素でもあります。

【目標】今回は、本人が混乱しないで適切な誘導をする、自宅で行える練習を考えることの二点としました。

リハビリの様子

【介入場面】麻痺側の下肢においては、上記で述べたように筋出力の低下が股・膝関節に見られていたため、立ち上がり動作における下肢の伸展運動の練習を行いました(写真③)。

この時、ただ膝関節を伸ばすのではなく、股関節屈筋群の伸張と膝関節の生理的な関節運動を促しながら行うことを重視しました。また、本症例は車いすに座って過ごされていることが多いため、背中や骨盤周囲にあるハムストリングスの筋肉をストレッチで伸張する自主訓練を行いました。

リハビリの様子

結果の歩行では、練習を行った部分では荷重ができるようになりましたが、麻痺側の膝折れが強くなり、装具と自身の身体機能が合致していない点が把握できました(写真⑤、⑥)。

このように生活期では、何年か経過した症例においては、退院時に作成した装具や杖などが身体機能に合致していない可能性があります。よって、訪問看護ではこうした身体機能と併せて補装具や環境面への配慮が必要となります。

その結果、失語症を伴っていても、本人が混乱することなく動けることが可能になると思われます。

平成30年9月16日 アシストジャパンデイサービスセンター3号館にて症例検討会を行いました。

約2年前に脳卒中を発症し、右片麻痺を呈された65歳、男性の方です。

弊社の訪問看護ステーションとデイサービスを現在利用されており、ご本人・ご家族、訪問看護・デイのスタッフ、他施設の参加者と身体の状態の把握及びリハビリの方針を検討しました。

主訴としては、歩行や生活場面において麻痺側上下肢の動きにくさの訴えがありました。

リハビリの様子

継ぎ足歩行の課題では動作の遂行は可能でしたが、常に左へ体を倒し力が入っている状態で、体幹の立ち直りが乏しく右足へうまく荷重できていませんでした。それに伴い右上肢の引き込みも強くなっていました。

マットへ左足を乗せる課題では、自力でバランスをとれるものの右足で荷重すると不安定となるため、左足へ過剰に荷重していました。(写真②)

いずれの場面でも、骨盤と右股関節が後方へ引け右肘関節が常に屈曲し、力が抜けない状態でした。治療では、右上下肢の筋と体幹右側の短縮があったため、臥位で柔軟性の改善を図りました。

その上で寝返り・起居動作を通して骨盤回旋の学習に加え、右上下肢の筋を刺激していきました。

リハビリの様子

最後はマットへ左足を乗せた状態で右踵の上げ下げをリハスタッフが補助し、右下腿筋を刺激しつつ足部-膝関節-股関節-骨盤が正しい位置で活動できるよう練習しました。

治療後には、継ぎ足歩行において右足へ荷重しやすくなり、体幹の立ち直りが改善したことで体の左への傾きが軽減し、それに伴い右上肢の引き込みも軽減していました。(写真③)

マットへ左足を乗せる課題においても、身体の重心位置を高い状態で保持できるようになりました。(写真④)

今回は、今後の課題も含めご本人・ご家族、デイスタッフ、訪問看護スタッフで共有できました。また麻痺側上肢の自己管理の必要性をお伝えし、意識の向け方を提案いたしました。

平成30年6月17日 アシストジャパンデイサービスセンター7号館にて症例検討会を行いました。

【症例】88歳:女性

既往歴:アルツハイマー型認知症・高血圧・不整脈・下肢に浮腫

医師から激しい運動はしないようにという指示があり、左膝に痛みがあるため、日常生活に障害を来している方です。家族からは、2階玄関まで上がってもらわないと生活出来ないので、体力が落ちないように運動をしてもらいたい。との事でした。生活環境は、2、3階住居。2階玄関まで外に高さ20cmの段が13段あり両側に手すりが設置されている。本人からは、階段の上がり降りは膝が痛いし、転げそうで怖いと訴えがありました。

リハビリの様子

①右手で杖を持ち歩行され、方向転換時に動揺が見られ左下肢に痛みがある。階段昇降時は、右足で上がり右足で下りる独自の下り方をしている。②円背姿勢 ③膝蓋骨と脛骨粗面の位置右側が長く完全に膝が伸展できない。

運動療法
左側骨盤と大腿骨骨頭外旋で引き上げられており、筋緊張が高くリラクゼーションにて緊張を落としていくと痛みが減少してきました。
次に右腰部と下肢の痛みを訴えられ、右腰部と下肢の短縮・骨盤と大腿骨位置の崩れを正常な位置に修正します。
④股関節外転10度で痛みが強く少し角度を内転させ、股・膝関節の屈曲伸展をご自分で行ってもらいました。
筋緊張の軽減と下肢の可動域が拡大し痛みも減少しました。これにより、筋出力を学習してもらうことで、荷重と支持性を体験していきます。
リハビリの様子
運動療法後の評価
⑤左手での杖歩行が安定し、⑥⑦正常な踏み台昇降が行えている。⑧体幹のバランスがとれ円背姿勢がとれている。⑨膝蓋骨と脛骨粗面の位置の長さが上下短くなり正常な位置に修正。
リハビリの様子
まとめ
今回の症例では、左膝の痛みや浮腫みが強く、踏み台昇降で右足で上がり右足で下りる通常では見られない動作を行っていました。アプローチが進んでいく中で、左側の筋緊張と痛みを減少することができ、本来の右側の痛みを自覚されました。右骨盤と大腿骨頭の位置や右膝蓋骨と頸骨粗面の長さからも、右下肢の筋力低下と支持性の低下の問題点が見えてきました。右に荷重をかけない様に左で支える為、円背姿勢など代償により本来の痛いところがわからなくなっていたと考えられます。訴えの強いところからアプローチを行っていくことで、本当の原因が判断できました。今後は、右下肢での動きが出せるセッティングと筋出力・荷重と支持性を体験してもらうことで、正しい杖歩行と階段昇降を無理なく身につけることができると考えています。

症例:頸髄損傷受傷後10年経過した症例

75歳男性 診断名:頸髄損傷(10年前)、左大腿骨骨折(2年前)

今回の症例は10年前に転倒により頸髄損傷を受傷された症例です。

受傷後、自宅での生活や歩行は自立レベルで出来ていましたが、2年前に転倒され、左大腿骨骨折(人工骨頭置換術施行)をされてから、移動時は杖と車椅子を使用される生活を送られており、週6回のデイサービスの利用をされています。

立ち上がり動作では、重心を前上方に移動させることが難しく、左側骨盤帯を後方へ引き、体幹・下肢を屈曲位にすることでバランスを保たれていました。(写真①)

歩行では、左側下肢への重心偏移とバランスの保持が難しく、歩幅に左右差が見られ、方向転換や座っていく動作では、重心の偏移に対応するための協調的な筋活動や股関節周囲筋群の筋力低下が見られ、転倒の恐れが見られました(写真②)。

リハビリの様子

リハ場面では

左側体幹の腹斜筋、腹直筋、腸骨筋、大殿筋等に大腿骨骨折後の不動などから起因する筋の短縮と筋力低下が左側を中心に見られた為、側臥位にて体幹筋群の協調的な筋活動の再学習と股関節伸筋群、膝伸筋群の活動性の改善を図りました(写真③)。

次に左右への寝返り場面では日常の活動量の低下による筋活動の低下により、寝返りにくさが見られたため、腹部前面筋群を強調した寝返り動作を行うことで、股関節伸筋群の活動量の増加が見られました。(写真④)

立位場面では、上肢活動と体幹や股関節・膝関節の抗重力伸展活動を促通した中で、重心移動を伴いながらバランスを保っていく練習を行いました。この時、上半身が動揺する症状が見られました。この症状には、ご本人も気づかれていなかったようです(写真⑤)。抗重力姿位での活動では、左股関節を内側に引き付けながらバランスを取られるため、背臥位にて股関節と膝関節の選択的な筋の収縮と、立位にて右下肢を振り出す動作を行いました(写真⑥⑦)。

リハビリの様子

リハ後

歩行時の右下肢の振り出しの拡大が確認でき、それに伴う歩行速度の改善が見られました。また車いすに座っていく動作では、自身でゆっくりとスムーズに座っていく動作が出来やすくなりました(写真⑧⑨)。

リハビリの様子

平成30年2月18日 アシストジャパンデイサービスセンター7号館にて症例検討会を行いました。

【症例1】81歳 女性

既往歴:脊椎管狭窄症術後

自宅での転倒が増え、外出時、シルバーカーを利用している方です。ご本人より「足が痺れ右の腰が痛い」との訴えがありました。

リハビリの様子

姿勢の崩れは見られませんでした。(写真①②)

歩行時、体幹が左右非対称であり姿勢の崩れが見られました。歩行姿勢は、前傾姿勢で右腰部に手をあて、右股関節内転・膝関節屈曲傾向がある為、歩幅は小さく不安定でした。右腰部から右下肢外側部に著名な短縮と筋緊張がありました。(写真③)

リハビリの様子

痛みの部位をリラクゼーションしながら、右側股関節伸展・内転運動を行うと筋緊張と痺れや痛みも消失しました。また、体幹下肢のアライメントが修正されました。(写真④)

膝や体幹の伸展が見られ、腕の振りや歩幅も大きくなる変化が見られました。ご本人様からも「右足が軽くなった」と実感されていました。(写真⑤)

この症例は、転倒を繰り返している為、「転倒予防」がテーマとなりました。特に右足を軸にして安定性を得られない為、体幹の左右の動揺が大きく、ふらつきを感じていました。下肢の支持性を高める事と、腰部のリラクゼーションを中心に行う事で、股関節伸展と内転の自動運動可動域が改善し、バランスが安定し転倒予防となる事を目的にしました。今後は、立位姿勢を指標として確認していき、ご本人でも出来るリラクゼーションや転倒予防の運動も行っていきたいと考えています。


【症例2】69歳 男性

既往歴:第二胸椎圧迫骨折・脳梗塞後遺症(左上下肢軽度麻痺)・脳出血

2症例目は、インフルエンザで1か月程デイを休まれ、歩行時バランス能力が低下された方です。

リハビリの様子

移動は1本杖です。両肩が上がり前傾姿勢O脚で目線は足元を見ている為、小刻み突進様歩行となっています。(写真①)

側臥位では、両膝の間が閉じない状態でした。これは、骨盤に対して大腿骨骨頭が強い外旋位にあること側腹部の左右差(短縮の程度)と考えられます。(写真②)

右体幹をリラクゼーションし左上肢を自動運動する事で、体側側腹部のアライメントの修正。(写真③)

大腿骨を正しい位置へ修正する事で、筋緊張が緩んできました。(写真④)

股関節の伸展・内転を行い、骨盤の左右差と股関節のアライメントの修正。(写真⑤)

股関節自動運動の誘導にて、内旋可能。(写真⑥)

杖を使わず顔を上げ、目線は前をみて視野が広くなっています。背中が伸び、小刻み歩行が改善し歩く速度も速くなっています。(写真⑦)

筋緊張が緩和し、寝返りでも両膝の内側がつく様になり、ご本人も足が軽くなったと実感されていました。(写真⑧)

この症例は、ご自分で動く機会が少なくなればなるほど、屈曲姿勢の習慣により小刻みやすり足歩行が認められます。週2回の利用の内、1回は日常生活に必要な基本動作の自発運動(最小限の誘導)の啓発。もう1回は、屈曲姿勢の原因となる股関節屈曲・外旋と体側側腹部の筋肉や脊柱の柔軟性を出していく事を、チェックポイントとして経過を追う事にしました。

脳卒中を発症され右片麻痺となり、10年以上が経過した方です。

主訴としては、麻痺側肩の痛みがありました。また立ち座りが麻痺側の足で支持がしにくいとのことでした。 発症してから車椅子での生活が長いこともあり、両下肢及び麻痺側上肢の筋の短縮が強い状態でした。(写真①) まず、両下肢及び麻痺側上肢の短縮の改善を図りました。(写真②)

リハビリの様子

座位では常に麻痺側の膝が伸びた状態で緩みにくく、足が床へ接地しにくさがありました。

日常生活で非麻痺側の手足に力を入れて動作を行うことで、より麻痺側の膝を緩みにくくしていることが 考えられました。

そこで麻痺側の足底への荷重を誘導し、荷重していく感覚を練習していきました。(写真③)

リハビリの様子

最終的には麻痺側肩から肘にかけての筋の張りが軽減したことで、「楽になった」とのご感想を頂きました。

また麻痺側足が床へ接地しやすくなったことで立ち座りの動作がスムーズとなり、立位の姿勢も前かがみの姿勢が軽減していました。

ご自宅でも立ち座りの際、右足底の荷重感覚を意識していくようご提案させていただきました。

一人目の方は発症より7年経過した右片麻痺の男性で、ご相談の内容は右上肢が少しでも動くことができればとのことでした。趣味は釣りで屋外歩行や船にも乗るということで比較的動けていましたが、上肢帯は屈曲位で身体を伸ばしきることが難しく(写真①)、方向転換時はふらつきが軽度あり、その際麻痺側股関節屈曲位、膝関節過伸展位を呈していました(写真②)。下肢の緊張を緩和する手術の既往歴もあり、当初から体幹から下肢にかけての緊張が強かったことを示唆していました。

リハビリの様子

確認評価を進めていくと、床に座っていく動作において体幹・股関節の可動域制限と、背臥位では身体全体が反りあがり、体軸は左側へ捻じれた状態であったため、リラックスすることが難しく、下肢が突っ張る(こむら返り)ことも時折あったとのことでした。

目標は身体全体がリラックスし、その姿勢が日常で達成できるポジションを模索し、自主練習とする。また、立位のバランスのふらつきに対し、足関節の運動が可能となることでよりバランスが取りやすくなるよう下肢の問題に対するアプローチを展開しました。

まずは、床に座っていく中で骨盤帯周囲から体幹筋肉の可動性を促し、麻痺側への寝返りを行いました。理由としては、左側へ常に体軸を捻じっている、右側全体で支持することで上部体幹から骨盤帯を通し下肢の運動を促通することができました。最初は股関節可動域制限により麻痺側に寝返ることが不十分となり、右側での支持が困難でありましたが(写真③・④)、運動療法後は、本人にとって楽な姿勢保持が可能となりました(写真⑨)。

リハビリの様子
リハビリの様子

その後は両測への寝返りから起き上がり動作の中で体幹から骨盤帯の分節的な運動を促し(写真⑤・⑥・⑧)、股関節屈筋群、外側の大腿筋膜張筋、距腿・脛腓関節の可動域から足部の筋肉の可動性を引き出していく(写真⑦)ことでバランスの協調性に必要な下肢の準備を行いました。

リハビリの様子

床からの立ち上がり動作が楽になると、歩行動作においても「軽くなった。」と本人の内感が変わりました(写真⑫)。写真②と写真⑪では立位姿勢の違いが確認できます。ただ、バランスにおいてはふらつきが強くなったことから、本来は不安定な姿勢のために強く身体全体を固定していたと考えられます。今回は、体幹~骨盤帯だけでなく、足関節が非常に固かったため、つま先立ちで筋出力を向上するトレーニングをお伝えしました(写真⑩)。

このように生活期の片麻痺患者の特徴として、たとえ日常生活を行えていたとしても、気づかないうちに身体を固定し、決まった運動パターンのみで対応しそれが長期化していくことで、徐々に動けなくなるという経過の症例を経験します。このような症例には、ただ筋肉や関節を柔らかくするいわゆるマッサージや関節可動域の関わりでなく、柔軟性を得た部分をどのように日常生活動作に活かしていくかという視点が必要であると私たちは考えております。


二人目の方は発症より7年経過した視床出血後の左片麻痺の女性で、主訴は「人が触れるととにかく痛い、いつもピリピリする」左肩の疼痛がメインでした。姿勢や身体反応は常に痛みに対して身構えており、両肩の挙上が顕著で、上肢は常に体幹に張り付くように接触していました。このような状態では皮膚の可動性が低下し、関節や筋肉の運動も少ないため、自分の手であるという感覚が薄れやすいと思いがちですが、更衣動作の場面で袖を抜く際、本症例はしっかりと表在感覚や深部感覚は理解されており、上肢機能に関しては潜在能力が高いことが示唆されました。

評価場面では、更衣動作など皮膚反応が必要な課題では、衣服の構造に合わせた上肢の運動が困難であるため、両手動作の必要性とそれに応じた皮膚や筋肉の可動性を頭頚部・麻痺側上肢帯・体幹部を確認しました。両手が協調せず、非麻痺側の片手で必死に行っていたのが印象的でした(写真④)。また、特徴的だったのは寝た状態での姿勢です(写真①)。本人が「寝たり起きたりするのが大変」といわれるように、本来リラックスするはずの姿勢で身体を緩めることができず、また痛みが起こるのではないか?という逃避的な精神状態もあり、常に右側へ偏位しており(写真③)、左側を含め、身体を感じることが非常に難しい問題点があることを関わりの中で感じました。

リハビリの様子

運動療法では、感じにくく逃避的な運動学習が継続されているため、少しでも自分の四肢を体幹から離れていくことで日常生活動作、本人の希望である疼痛の軽減から更衣動作などの両手動作につながるよう計画を立てて関わるようにしました。

まず、座位の場面では筋緊張が緩められず、また運動を感じることができないため、臥位場面を選択しました。そして、タオルを背面に通して二人がかりでタオルを動かし、背部の筋肉を緩めていくことで、徐々に「身体が楽になり動きやすくなってきた。」と内感が変わっていくのを確認できました。特に楽に寝られる経験が良かったようです(写真②・⑦)。動きやすくなる⇒疼痛が軽減する⇒左手への気づきが得られる(疼痛の軽減によって動かせる経験)ことが、左上肢を動かすことに対する恐怖感の減弱につながりました(写真⑧)。

さらに、座位になった所で肩関節が動きやすくなったことを理由に、肩甲骨と上腕骨の間に分離運動を促し、そして背中から肩に向けて皮膚をタオルでこすり、更衣動作の準備を行いました。更衣動作では、若干ながら左手が参加する様子ができました(写真⑤)。左手が使えることに自信が持てたので、自主訓練で手を着くなどの練習を検討しました(写真⑪)。

リハビリの様子

疼痛に関しては継続的なアセスメントが必要であると思いますが、今回の方は逃避的な状態から不使用に陥っている悪循環が、身体が固くなるという身体面と痛みに対する不安が強くなるという精神的な問題を助長していました。今回まずは、疼痛を軽減するよう配慮し、それから本人の希望に即した練習に取り組む段階付けが必要でした。また、片麻痺を呈した方の更衣動作は、麻痺であることが問題でなく、衣服の変化に応じて身体を合わせることが難しい場合が多く、この問題に関しては対処することができます。要するに着脱の手順が問題ではないということになります。こうした基本動作への介入は本人が自信を持つことにつながり、社会参加への一要因となります。今一度、訪問分野においても、利用者様が必要としている生活動作に着手しているかどうかを見直すべきではないでしょうか?

一人目は前回の症例に再度来ていただきました。この方は、「日常生活で自立し生活圏も保たれている。ただ、ある一定量の負荷が生じると不具合を感じる」ことが問題点でしたが、前回から膝の裏側の疼痛が軽減し、しゃがみ動作も行いやすくなりましたが、散歩で2km後半になると、「つま先が引っかかりやすくなる」、「肩関節が痛くなる」問題点が残存しており、今回はこれらの機能改善と自主訓練の提案を進めていきました。

リハビリの様子

前回終了時(写真:上3枚)と今回終了時(写真:下3枚)の比較です。

座位・立位姿勢では、ご本人からも「右足が支持しやすくなり、立ち上がりやすくなった。」肩関節の位置が修正されたこと、さらに肩関節自体の疼痛が軽減したことが挙げられました。

しかし、この状態を維持・改善していくには、個人に合わせて必要な自主訓練を行い、経過をデイサービスや訪問看護でチェックしていく過程が重要です。今回は、これらのポイントを主とし、こちらが提案する運動療法とご本人がその運動をどのように理解し、実践していくかを考えていきました。

リハビリの様子

前回と同様、右股・足関節周囲筋の強化を行いました。麻痺側(右)のつま先で蹴る動作も強くなり、振り出しではつま先を床で擦ることが少なくなりました(写真③)。また、肩関節に関して前回は背部から肩甲骨周囲筋の調整を行いましたが、今回は鎖骨や肩関節などの関節面を積極的に動かし、疼痛の軽減と筋収縮を高める練習を行いました(写真①・②)。

リハビリの様子

その後は日常生活でどのように練習していくかを提案し、訪問担当の理学療法士と確認作業を行いました。

写真③では、右足を後ろに引いた状態でつま先立ちを行い、下腿三頭筋の活性化とバランスの練習を行い、自分で再現できるように取り組んでいます。

写真④では、練習によって得られた可動域を使って肩関節の運動を再現しています。この動作は少し援助が必要でしたが、疼痛はなく、本人も自信がついたようでした。

このように経過が長い症例は、麻痺側の不使用(誤学習)により、脳が支配する筋肉をどのように動かすかを忘れています。これらを改善できるのは、動かし方を指導する私達であります。また、私たちもただ関節や筋肉を動かすだけではなく、本人がどのように感じ、動かすか方法に関わる必要があります。多くの症例は1時間半の練習でも、麻痺した手足や身体が少しでも動かせる部分があることに気づく経験をします。このように本人の理解を得た一貫性のある反復練習によって、退院後であっても機能改善の可能性はあります。


(2症例目:進行性核上性麻痺)

二人目の方は、多発性脳梗塞から進行性核上性麻痺を発症した60代の男性です。パーキンソン症候群に分類される疾患であります。この方は、最近特に歩行障害が強くなったとのことで転倒はないものの、バランスを崩す、方向転換が難しくなった、右足が出にくくなり、一歩目が特に出にくいなどの症状が見られ、リハビリ内容などについての相談を今回受けました。

リハビリの様子

第一印象は、右側へ体軸が傾き屈曲姿勢、両下肢ともに外へ開いた状態(写真①)で、歩行は小股で歩き、右側へ傾斜していくのが特徴的であった(写真④)。また表情の変化に乏しく、動作を行うように声掛けを行っても反応に遅延見られました。

評価場面では、片足立ちの場面では重心移動ができず困難(写真②)で、より右側へ体幹が傾斜してしまい、本人も「怖くてできない」と言われました。しかし、視覚刺激で段差をまたぐようにすると容易に可能となり(写真③)、このような視覚刺激課題で容易に動作が行いやすくなるのも特徴でした。

問題点は、方向転換時のバランスのふらつきについて、右側の体幹が主に側屈・前傾位であり、体軸内回旋が困難である。この要因により、ふらつきやすくステップ反応に遅延が生じやすい。現在は転倒を起こしていないことで制御はできているが、徐々に困難になることが予想される。

目標と課題は、バランス練習に必要な体幹から下肢筋が柔軟性と筋出力が改善していくことで、ふらつきを軽減させていくことを目標としました。また、家屋状況を聞いていく中で、必要であれば視覚刺激課題によるアプローチ、転倒後を想定した床からの立ち上がり動作などを行い、家族の介助量軽減と介助に対する不安の解消を課題としました。

リハビリの様子

写真⑤は、両膝をつき寝ていく動作の中で、右側体幹を伸張しながら手を伸ばしていきました。マッサージではなく、あくまでも自分で動くことで変化を得、それが結果として体幹や骨盤帯周囲筋の同時活動につながりました。

写真⑥では、両膝を立てた状態から、左右に足を倒していくことで回旋運動を練習しています。特徴として理学療法士が誘導しながら、徐々に自分で行うようにシフトしていくことを心がけていきました。

写真⑦は、寝返り動作において肩関節が前方に出るようになってきたので、そのまま支持して起き上がり動作に移行しました。この動作が可能になると、写真⑧のように四つ這いから膝立ちが容易となり、立位介助も楽に行えた結果、本人の立位姿勢の恐怖感が軽減しました。

リハビリの様子

この練習を通して、本症例には肩関節から胸郭そして肋骨周囲の可動性が必要であると感じたので、写真⑨、⑩で側臥位の姿勢から骨盤を止めた状態で上部体幹を回旋させる運動を奥様に日常的に少しでも実践できるようにお伝えしました。

リハビリの様子

練習後は写真⑨のように右側への傾斜が軽減、姿勢が若干改善されました。また、写真⑩では、恐怖感を訴えていた左下肢の挙上による片足立ちが、2・3秒程度ですが可能となりました。写真⑪では足を楽に挙げられたこともあり、両手を万歳することもできました。写真⑫では、右下肢を大きく前に出せることで小股歩行が改善され、自主訓練に取り入れるようにお伝えしました。

今回練習を通して難しかったことは、この最近では特に身体を動かす機会に乏しかったため、こちらの提案する一方的な場面に陥らず、自分であるいはご家族が自信をもって自主練習に取り組める展開を考えたことにあります。

進行性核上性麻痺を含むパーキンソン病では、認知機能の低下や固有感覚(自分の手足がどこにあるかという重要な感覚)の遅延障害1)が認められます。こちらが思うよりも本人が反応する時間にロスが出るため不安を強める結果になってしまいます。本症例も指示や動作の誘導を促した際、動作を遂行するのに時間を要し困難なことがありました。これに対し、最も本人が安心してしかも歩行やバランスを取ることに必要な体軸内回旋を練習することができる、寝返り・起き上がり動作を選択しました。

このように、疾患による普遍性(教科書やネットなどで得られる情報)のものと、本症例の持つ個別性の問題点に応じたアプローチを展開する必要性があり、リハビリテーションサポートシステムでは、この要望に応えていくよう精進いたします。

参考文献
1)Konezak J ;Proprioception and motor control in Parkinson’s disease. 2009

今回のケースは昨年2016年9月に発症し、ちょうど一年経った症例でした。今回の症例の特徴は、「日常生活で自立し生活圏も保たれている。ただ、ある一定量の負荷が生じると不具合を感じる」。積極的に毎日1km歩いていましたが、最後の方になると、膝の裏側周辺や肩関節に疼痛が出現し、最近はさらに痛み自体が強くなっているとのことでした。

座位姿勢では、左側肩の挙上が顕著で(写真①)、右肩関節は前下方に落ち込んでいました(写真②)。立位においても右下肢への荷重は困難で左側の非麻痺側へ常に重心が偏位した状態でした(写真③)。

評価場面の問題は、右側へのバランスと下肢筋力低下が右足関節から股関節周囲筋に確認できたので、筋肉活性化と立位におけるバランスの協調性、上肢機能の改善(リーチ動作)を目標としました。指標はしゃがみ動作としました(写真④:下までしゃがみ、立つが困難)。

リハビリの様子

足部~膝関節の可動性と股関節周囲筋の活動性を要求しやすい、正坐から膝立ち位を中心にリハビリ場面を展開しました。非麻痺側左側の強い緊張により、体軸が修正できないため、右側の骨盤帯~股関節周囲筋(ハムストリング)の抗重力筋の活動性を高めていきました。すると、左肩関節の可動域も改善され、身体が伸びやすくなりました(写真⑤~⑦)。

リハビリの様子

そこで、ダイナミックに片膝立ちを通して右股関節周囲筋をさらに促通していくと(写真⑧)、右肩甲骨周囲筋が安定し、リーチ動作が誘導しやすくなりました(写真⑨)。その後は、両手を後方について床からの立ち上がり動作を想定し、より強い下肢の抗重力活動を練習の中で促しました(写真⑩)。

リハビリの様子

結果は、右下肢の支持はまだ不十分ではありますが、右肩ラインの落ち込みと肩関節自体の疼痛が軽減しました(写真⑪・⑫)。立位姿勢も右側への重心移動が若干であるが、可能となり、本人の恐怖感も軽減しました(写真⑬)。最初に困難であった床動作は上肢介助でしゃがみ、立つことが可能となりました。これは、下肢の筋出力が短時間で得られたということです。

このように、発症から経過した方でも、姿勢の修正や麻痺した筋肉の活性化を行うことで、できる動作が可能性としてあります。その要素の中に非麻痺側で行う動作はその場では動作が行えていても、効率性を失い、やがてできなくなることにつながります。リハビリテーションサポートシステムでは、このように潜在し普段使えていない能力を確認し、その能力と希望にできる限り合わせた課題や動作を個別に行います。

リハビリの様子

平成29年10月16日に東予にあるアシストジャパンデイサービスセンター6号館にてリハビリ無料相談会がありました。

今回の相談は、片麻痺を呈した方より「麻痺した側の肩が痛い」、「日常生活の中で肩が痛くなるタイミングは様々で、いつ痛みが出るか不安を持ったまま生活している」というお話でした。

写真①
まずは、どんな姿勢やタイミングで肩が痛くなるのかを詳しく調べました。ご本人より、「床にあるものを拾う等の体を前に傾けた姿勢になると肩が痛くなる事が多い」とのお話でした。
写真②
その後、治療が開始されました。肩を触ると、皮膚が固く、つまむようにして触るだけで痛みを感じておられ、皮膚に十分な柔軟性を取り戻す事が必要と考え、皮膚を軽く揉みながら皮下にある軟部組織も含めて動かしていきました。
写真③
約10~15分ほど皮膚を揉み解していくと徐々に痛みは緩和してきました。肩から指先までの皮膚や筋肉、関節を揉み解して柔軟性が回復していく中で、肩関節の本当の問題を発見。胸上や脇の下周辺、前腕の筋肉までもが内向きに引っ張られた状態で筋肉が縮み、外側に腕を捻じる可動域が不足していました。適切な関節の可動域になるよう、時間をかけて皮膚や筋肉を動かし、筋肉自体の弾力や長さが増すようにしていきました。
写真④
徐々に腕が外に向いていき、胸が開いたリラックスした姿勢となっていきました。
写真⑤
次に体幹の評価に移りました。肋骨の縁をたどると、麻痺した側の肋骨が下がっている事がわかりました。腕を上げる機会が減った事で肋骨の位置も下がってしまい、左右差が生じてしまったようです。この肋骨の位置が左右で違う事は、体幹筋の働きを低下させる原因の一つとなります。
写真⑥
この左右差を無くすため、腹直筋(みぞおちから恥骨につく腹部の筋肉)の固く縮んでいる部位をゆっくりと上から押さえていき、筋肉の柔軟性を作っていきました。次に麻痺していない側の肋骨も麻痺側の影響を受けて、後ろに引けて捻じれている事がわかりました。肋骨を前方に引き出すようにして正しい位置となるように動かしていきました。
写真⑦
下がっていた麻痺側の肋骨が上がって、後ろに引けて捻じれていた非麻痺側の肋骨が前方に戻り、左右の肋骨の縁が徐々にそろってきました。
リハビリの様子

腹部周辺の筋肉(体幹筋)が適した位置関係に戻ってきた所で、さらにダイナミックに筋肉を動かして、筋の活性化を図ります。

写真⑧
両脚を曲げ、空間で保持したり、自転車漕ぎのように両脚を動かして頂き、麻痺した側の脚も麻痺の無い側の脚と同様に動かして頂くことで、左右差を減らしていきます。
写真⑨
膝を立てて、お尻上げをします。お尻上げ運動は、腹筋を働かせると共に股関節を伸ばす力(お尻の筋肉)も働きます。足裏で床を押して脚全体の力を使ってお尻を上げます。徐々に膝の角度を浅くしてお尻の筋肉にかかる負荷を大きくしていきます。
写真⑩
次に座って頂きました。体は麻痺した側の肩が下がりやすく、まっすぐな姿勢が取りづらくなっていました。麻痺した側の手をベッドについて、その手に体重をかけていきます。体重をかけても肘が曲がらず支えられるように腕の筋肉を活性化していきます。
リハビリの様子
写真⑪
次に立って頂きました。麻痺した側の脚に体重をかけても膝が曲がらず支えられていましたが、右肩が下がり、体が曲がっていました。また、腰が引け十分に股関節が伸びていない立位姿勢となっていました。
写真⑫
療法士がわざと麻痺していない側の脚をすくうようにして片足を上げてもらいました。麻痺した側の脚は支えられているものの、膝が少し曲がり、体が前に倒れています。
写真⑬
何度か続けるうちに、ご自身で支えやすい位置や支える力の入れ方がわかるようになり、徐々に体が前に倒れる事無くしっかりと体重を支えられました。
写真⑭
次に踵上げをして頂きました。踵を上げてつま先立ちをして頂く事で、体がもっと上方(頭のてっぺんが空に向かって伸びる)に向かって伸び上がる筋活動を促します。
写真⑮
骨盤を前後方向に動かして、さらに股関節を伸ばしてお尻の筋肉を活性化していきます。全身が伸びた重心の高い良好な立位姿勢となるように筋活動を促します。
写真⑯
麻痺側の手足でも体重を支えるという経験の中で筋の活性化が得られ、さらに支持した感覚も増し、安定した立位が可能となってきました。
リハビリの様子

最後に確認です。

写真⑰
リハビリ前に言われた痛みが出やすい姿勢を再びとって頂きました。最初よりも痛みが消失し、動き易くなった事を確認しました。
写真⑱
最後に、この前傾した姿勢からさらに前傾を増していき両足に体重を移してもしっかりと両脚で支えられるという感覚が得られたので、そのままお尻を上げて立ち上がる事ができました。
リハビリの様子

今回は、肩の痛みが主要な問題でしたが、その問題を改善するために・皮膚のコンディションを整える・肋骨の位置や股関節等、体の各パーツの関係性を見て、左右差の改善を図る・必要な筋肉の活性化(特にお尻周囲の筋)を促すというリハビリ方法についてアドバイスさせて頂きました。結果として、腕の痛みが減り動き易くなりました。今後もこのような運動を継続して練習する事で身体機能が向上していけると考えます。リハビリ無料相談会では、定期的に身体機能の確認を行って、身体機能の改善により日常生活の動作がより良い方向に変化していけるようアドバイスなどの協力をさせて頂きます。

平成29年10月9日アシストジャパンデイサービスセンター7号館にてリハビリ無料相談会を行ないました。

【症例】82歳 女性

診断名
右大腿骨転子部骨折
現病歴
糖尿病・心疾患有り 意識消失されたことのある方の為、看護師のバイタルチェックや血糖値測定し体調管理のもとリハビリを行なっています。
平成29年6月転倒し、右大腿部転子部骨折を受傷されましたが、心疾患のため骨折に関しては、保存療法となりました。

9月の時点では、患側右下肢への荷重量は体重の2/3となっていました。この時点での歩行を観察すると、腰が引けた姿勢で視線は常に足元を向いていました。また、上肢や左下肢への過剰に寄りかかろうとするような場面が見られました。右の臀部は、筋肉だけではなく、表層の皮膚にも過敏に伴う痛みを発生させるほど、可動低下と循環障害を生じていました。

リハビリの様子
①.移乗
デイサービス利用開始時は、ご家庭と違った環境であり、転倒への恐怖感や右下肢への荷重を気にしており、移乗動作は介助を要しました。
②③.歩行
前傾姿勢で、体幹の動揺や左への荷重が多く左へ寄りかかるような歩行動作。左の立脚期より、右の立脚期は短く歩幅も小さく5mを17歩、歩行速度は24秒、脈拍75(安静時65)体幹や下肢の筋力低下により、上肢優位での歩行となっていました。不活動による、筋力低下の痛みによるものと思われます。

平成29年10月5日 主治医より、骨癒合良好。全荷重の許可が出ました。

平成29年10月9日 無料リハ相談会実施。
右臀部の局所的な痛みはないが、右臀部から右下肢にかけての痛みと筋緊張は見られていました。
特に、表層皮膚の問題が寝返りや座位時の臀部の擦れや、内部臀筋の収縮に伴う、痛みを生じさせ右側への荷重負荷を助長していました。

リハビリの様子

A・右臀部は、左臀部に比べ筋緊張が高く低刺激でも痛みを訴えられていましたが、全体的にリラクゼーションを行なうことで、筋緊張が緩むと痛みも消失してきます。

B・右下腿も臀部程ではありませんが筋緊張と痛みの訴えがあり、リラクゼーションを行なうことで筋緊張と痛みが消失します。

C・立ち上がり訓練では、右下腿への荷重の感覚をハンドリングと声掛けを行なうことで学習し、歩行へと進んで行きます。

全荷重になった為、ピックアップ歩行器の歩行訓練に進みました。歩行前に右臀部、下肢のリラクゼーションと物理療法を施行し、筋緊張や痛みもなく、5mを22歩、34秒にて行えています。体幹の動揺も軽減し、右下肢立脚期も増やしています。

リハビリの様子

④移乗動作は、左下肢への荷重中心でしたが、右への荷重が出来ることにより支持性も安定してきており、手を添えるだけの軽介助で行えるレベルになってきており、ご家庭と違う環境の中でも介助量が軽減してきていました。

⑤⑥ピックアップ歩行器での歩行は、右臀部と下腿の筋緊張と痛みがリラクゼーション後消失しているため、痛みの訴えもなく5mを22歩34秒で行えています。ハンドリングを行いながら行っています。右下肢への支持性が向上され、上肢や左下肢への過剰な活動の軽減が見られていました。また、視線は前方を見渡せるようになり、周囲の状況(外部環境)に対応した歩行が取れるようになってきました。

無料リハ相談会後の流れとして、体調に応じて、午前中は右臀部に物理療法を行ない、5mの平行棒歩行を1往復2セット行ないます。

午後から右臀部・下肢のリラクゼーション後、ピックアップ歩行器歩行を近位見守りにて、5mから行なっており、2セット実施しています。疲労感の訴えはありません。

下肢の筋力訓練、血圧、脈拍の変化に注意し、低負荷で短い時間から見守りにて、ニューステップを行なっています。

この症例は、心疾患による不活動の期間があり、そのため使っていない特に右臀部の筋緊張と、痛みが強く、その部分をほぐすことで、動き易い身体に整えられ、歩容や姿勢の変化も見られ、歩行能力が向上されました。

循環障害による痛みも軽減され、ご本人様も、動き易いと自覚されています。臀部、下肢の筋力低下も歩行や運動療法を使うことにより、向上できると考えています。

今回のケースは平成21年8月に左片麻痺を発症し、2年間バスを使って通勤していたがその後退職され、現在は週2回整形外科のリハビリを受けている症例です。屋外は4点杖と装具を着用、屋内においても装具が手放すことができない方でしたが、2年間バスを使いながらも通勤されていたという情報より、本人の元々の歩行能力の高さを感じたので、そのことを踏まえ希望である歩行動作(応用歩行)の検討を実施しました。

リハビリの様子

特徴的なのは、立ち上がり動作から右側へ大きく偏位し、常に上肢で何かを押し付けながら立つ戦略であり、それは装具を外して歩行を行うとより顕著となり、いわゆる杖にもたれることで麻痺した足指は丸く縮こまるため、より体重がかけにくくなり、結果、体重移動や方向変換あるいは後ろ歩きといった応用歩行が難しくなってきた背景が考えられます。さらにこのケースは8年間経過していることもあり、アキレス腱部と足底筋膜は短縮しており、腓腹筋・ハムストリングス・大殿筋は低緊張と混在していました。

今回の課題としては、

①これら二次的に作られた麻痺側下肢の固さと弱さを改善し、麻痺側下肢へ荷重する準備として姿勢の修正として、右側自体の体幹や下肢の伸張を行う

②麻痺側下肢に荷重を行い、足部から股関節・骨盤帯周囲筋が抗重力的活動を得ること

③応用歩行として、後ろ歩きや方向変換、段差昇降動作が少しでも容易になり、日常的に取り組める練習を検討するとしました。

リハビリの様子

麻痺側への荷重は本人の恐怖感が非常に強くなり、右側へ重心が偏位するため、臀部に台を置いて少し持たれる形を取り、前方からセラピストが両手を支え、身体軸の修正を図ります。この時、右側への体軸の偏位を修正しつつ、麻痺側下腿三頭筋の緊張を緩和し、麻痺側下肢へ荷重を促します(写真①)。

さらに左下肢へ荷重を促すために右体側を支持し、左側肋骨と肩甲骨の可動性を出して、より抗重力方向に体幹が伸張するよう誘導しています(写真②)。

次に足先から下腿、膝関節を把持し、下肢の伸展を促しました。その結果、セラピストが手を離しても、股・膝関節が自身でも伸ばしやすく、さらに力強さが増してきました(写真③・④)。

さらに左下肢で体重を支持して右上肢でお茶を飲む二重課題を行いました(写真⑤)。この時には、本人から恐怖感の訴えはほとんど見られませんでした。

さらに、台から右足を下ろす練習では、歩行の方向転換を意識して体幹・股関節に回旋動作を入れて練習していきました。

その結果、非麻痺側のステップ動作が行いやすくなり(写真⑦)、さらにより高い台の上にステップが可能となってきたので(写真⑧)、課題のレベルをさらに上げました。

リハビリの様子

次に、最初に恐怖感が強かった段差昇降を行いました。段上で右足から下ろす課題が難しかったが(写真⑨~⑪)、初めてできた課題に笑顔が見られ、喜んでおられました(写真⑫)。

最後に、麻痺側下肢に荷重するため自宅で行える自主練習として、普段からよく使う立ち上がり動作を選択しました。最初にあったように、立つ瞬間に右側へ体軸を偏位させるため、左足底の設置位置をポイントにして(写真⑬)、荷重を促す練習をしました(写真⑭)。

麻痺側下肢に対して十分に荷重できることで、右手の力を使わなくても立てるという自信につながりました。何回も練習していたのが印象的でした。

このように、自分にとって利益のある練習は自主訓練の継続につながります。そして、自己を知ることで新たな環境課題に対応できます。リハビリテーションサポートシステムでは、ただマニュアル的な運動を提供するのではなく、個人の能力に応じた対応により日常生活動作が少しでも効率的になるようプログラムを見直しております。

今回のケースは、脳出血左片麻痺の男性で、H28年12月に発症し、6月に自宅退院後、半日型デイサービス(パワーリハ)に日曜日以外、通っている方でした。日常生活は車を運転されるなど自立されておりましたが、「退院して時間が経つにつれて、歩行やバランスも不安定になり、将来が少し心配だ」ということでした。

今回の相談目的は、歩行動作におけるバランスの改善に向けた身体機能についての確認、それに応じた自主訓練の作成、そして必要があれば現在使われているサービス内容のご相談について考えていきました。

リハビリの様子

評価場面では、手指はよく動きますが、肩の挙上が困難。肩関節には疼痛も見られていました。また、左足への荷重量が少なく、しゃがみ動作では踵が着かないなど、退院してから急速に身体が固くなったという言葉通り、筋肉の短縮と疼痛が肩関節・股関節、足部に見られました。また、歩行動作などバランスを要求する場面では肘が常に曲がる、足関節が内反するなどの現象が見られました。

普段はデイサービスでマシントレーニングを中心に行っていたこともあり、求心的な体の使い方が中心になっていました。そのため、身体を伸ばすような活動が少なく、これをセラピストと共有する機会が少なかったことが問題として考えられます。よって、自分なりに解決してきた結果、不必要な緊張が強まり、筋肉が固くなってしまったことが問題点として挙げられます。

リハビリの様子

肩関節の可動域制限があり、大・小胸筋やローテーターカフ筋群・上腕三頭筋の短縮が見られるため、運動療法を行いました(写真①・②)。その後、肩関節屈曲・外旋の可動域が向上したため、ベッドを両手で持つ自主訓練をお伝えしました(写真③)。下肢に関しては、ハムストリングの可動域を改善しながらも大腿四頭筋の収縮を促すように練習し、レッグプレス運動につながるよう促しました(写真④)。

練習の中で分かってきたことは、上下肢共に固い筋肉が柔らかくなっていくと筋出力が極端に弱かったことです。これを筋力低下と筋肉の弱化(weakness)といいますが、長期間使われていないことで、筋肉が刺激に対する反応も弱くなっていたため、活動を通じ抗重力筋の筋出力の活性化を図りました(写真⑤~⑧)。

すべてが良い方向とはいきませんでしたが、身体が伸びたことで動作が行いやすくなった感覚が本人は大きかったようですが、自己解決で行ってきた背景が運動方法に強くあるため、継続的な修正の必要を感じました。この中で効率よくマシントレーニングにつながればと思います。

今回のケースでは、退院後短期間で身体が固くなった背景があり、マシントレーニングのみのサービスでは対応しきれていなかったことが考えられます。リハビリサポートシステムでは、日常生活につながるように個別に応じた運動方法と自主練習を提供するよう努めております。

6月11日アシストジャパン3号館で症例検討会が開催されました。今回は3人の方にご協力いただきました。

リハビリの様子

【一人目】

4月にご参加いただいた右片麻痺の男性の方です。前回から、デイサービスの担当者と共に右上肢全体を積極的に触る練習を行い、バランス練習では足幅を狭くした立位を取るなど行っていたとのことです。今回は上肢手の管理に対する事と立位バランスにおける自主訓練を提案しました。

前回は歩行時に肘関節が曲がってしまう状態が長く継続されていたため、肘関節を伸ばすことが困難でしたが、普段の場面においても右手を積極的に触る時間が増えたこともあり、肘を伸ばして手を付けるようになりました。

この状態を日頃から自宅で行えるように写真のように関わりました。特に今回は、右手をさらに使用するという観点からも、杖を両手で後ろに持つことにより、背筋が伸びる・杖を麻痺した手で握る・脚全体も支持するように股関節を伸ばすことができるというメリットをお伝えすることができました。

発症からの期間が長く筋肉が固く伸張しづらい部位も多くあるため、全ての練習を取り入れて行うことは難しく、また本人は実感しにくいこともありました。

しかし、今回を含め2回リハビリテーションサポートシステムで練習したことで、「自分の足で支える感触は少しわかってきた」と実感された部分も見られました。


リハビリの様子

【二人目】

62歳:視床出血により左片麻痺を呈した女性です。両肩共に常にすくめた状態で、身体全体が非常に固い印象を受けました。主訴は、左上肢全体に疼痛があり、身体に密着した状態で皮膚がただれることもあるとのこと。更衣動作で、衣服が麻痺側肩にうまくかかりにくいとのことでこれらの主訴を元に上肢機能の改善とその自主訓練を考えていきました。

他動的な関節練習より、本人自身で身体を動かすことで、手が身体から離れていく練習を行いました。この方が痛みもなく本人の実感もよかったようです。仰向けになった際、両上肢の挙上が可能になりました。

さらに足の裏を接地して膝を立てた状態が維持できるようになったので横向きからうつ伏せの練習も行いました。背中の筋肉が伸張されると座ってる姿勢が楽になったとのことです。その後も比較的対称的な立位姿勢が維持できました。

最後に更衣動作では衣服に合わせた体幹の伸展と左肩甲帯の挙上が見られ、衣服が着やすくなりました。自宅環境に合わせた衣服の着脱の練習方法を確認し、終了としました。


リハビリの様子

【三人目】

50歳:被殻出血後左片麻痺を発症。発症日より7年目の女性です。主訴は歩くときに肩が外に大きく開き、肘が曲がった状態で歩かれていました。足は装具を着用しているが、内反が強くなり、歩く速度が遅くなるため、外出が常に不安であるとのことでした。

歩行動作の評価では常に視線が下向きとなり、歩幅は狭く、左足荷重時は装具を着用していても足関節が外側に偏位(捻挫する方向に)するため、やはりここでも歩きにくさを訴えておられました。また、左下肢に荷重する際、極端に恐怖感があったのも特徴的でした。

麻痺側(左)上下肢と、つま先立ちの運動療法を実施し、肘の曲がりは残存しましたが、左下肢荷重時の恐怖感の訴えは、歩行動作を行っていくに連れて軽減していきました。

このように、杖を使わなくても歩行が可能な場面も見られました。発症から長期の方でも、機能障害の問題点とそれに対する運動療法を提供することで、このように動作の改善を認めることがあります。リハビリテーションサポートシステムでは、生活に必要な動作を制限する機能的な問題を抽出し、解決のための運動療法とその効果を持続するための自主訓練の方法を個別的にお伝えするように努めております。

5月21日高知県にあるテクノクラフト高知で症例検討会が開催され、今回は小児のケースで行われました。参加者の中にはお母様、担当PT、OT、支援学校の先生が来られ、共通項目であった「立位動作と移動支援」をテーマに検討しました。

リハビリの様子

症例の移動における問題点では、左脚の支持性低下が見られました。具体的には左脚に体重をかけた際、顕著に膝折れが起こり、上半身がおじぎし、介助量が多くなるのを確認しました。

また、座位姿勢は常に首が前に突っ込んでおじぎし、左側に傾斜していました。太ももを支えると姿勢が良くなることから、下肢を中心とした強化課題を検討しました。

リハビリの様子

日常生活の中でどのように練習していくかを検討しています。

立ち上がり動作では上半身を支えず、あえて手から誘導し、意図的に両脚を使うようにしました。また課題の難易度を徐々に上げて、本児の生活に必要な段差昇降を行うことで、左脚の強化と実際の日常生活動作の介助方法を確認できました。

この本児の特徴ですが、精神的に混乱すると誘導に抵抗するため、介助者が強引に誘導してしまうことになります。少し本児の反応を待つ必要性があります。

その際誘導者が持ち方や持つ力を変えることで動作が比較的楽に行える場面が見られました。

このように本児の潜在能力に気づけたことで、運動療法だけでなく、学校での支援場面においても本児の能力を考えた介助方法を行うきっかけとなりました。

4月9日アシストジャパン三号館で症例検討会が行われました。訪問看護やデイサービスでサービスを提供してる本社社員と、近隣のセラピストやケアマネージャーが来られ、日常生活における課題の検討(今回は歩行動作)を行いました。

リハビリの様子

歩行の評価場面:常に下を向いて、肘は曲がっている

顕著だったのは、立位になった瞬間に視線が固定され、肘は曲がり、足は棒のようになって歩いている姿。歩行速度は遅くなり、日常から歩いている時にバランス面に不安があると本人からもありました。

本人の訴えであるバランスの確認作業では、ステップだけでなく下肢を交差するなど応用動作を意識した評価を行い、運動療法後の効果判定としました。

この方は、麻痺側(右)下肢での支持だけでなく、非麻痺側下肢の支持の弱さも見られました。

リハビリの様子

動作や運動療法確認後の歩行場面:肘の曲がりは若干おさまり、上を向くようになった。

運動療法を確認しあい、進めていくと歩行動作に若干ながら変化が認められ、本人の内観も変わったのが印象的でした。とはいえ、生活期ではこの効果がどれくらい自己管理できるかが重要となります。

今回は、身体機能面の問題と、それを日常生活動作にどう汎化させていくかを参加者で検討しあえました。

生活期においての私たちの仕事は、医師やケアマネージャーのケアプランを基にし、日常生活動作を確認する作業が必要だと思います。

この症例検討会は日頃行なっているサービス内容について御本人様や御家族の参加の元で直接検討し合う事が特徴となります。

また、これを回復期のセラピストにおいても逆算して考えていけるようディスカッションを今後はもっと行なっていきたいと思います。

リハビリの様子

担当者と運動療法について検討しあい、知識や技術の共有そして、日常生活でどのように練習していくか?に取り組んでいる場面です。

相談先の連絡方法

下記の電話にご連絡ください。

その際、事前に現状と相談内容の確認及び日程調整をさせて頂きます。

088-837-8907

相談窓口担当者

アシストジャパン 訪問看護ステーション高知